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同級生交歓 立教英国学院 第3期生

人の一生を左右するのは校風か、学歴か、友人か。意外な組み合わせ、納得の顔ぶれが並ぶ“誌上同窓会”。「文藝春秋」の名物グラビア企画です。

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東京都港区 政策研究大学院大学にて(撮影・榎本麻美)

(右から)
明治大学法学部教授・国際憲法学会理事
江島晶子
ソプラノ歌手
青盛のぼる
神奈川県立循環器呼吸器病センター呼吸器内科部長・横浜市立大学医学部客員教授
萩原恵里
政策研究大学院大学学長代行・理事・副学長・教授
黒澤昌子

日本企業の海外進出が活発になり始めた50年前に設立された立教英国学院は、旧文部省の認可を受けた全寮制の在外教育施設として、日本人駐在員の子供が海外に居ながら国内と同等の教育を受けることのできる稀有な存在だった。

英国のどこまでも続く田園風景の中にぽっかりと構築された日本社会。小5から高3までの総勢約180名の中で、我々は第3期生として高1から3年間、寝食を共にした。多感でエネルギー溢れる子供たちの手綱をしっかり握りながらも、一人ひとりの個性を見つけてそれを活かし、それぞれの道に向かって飛躍できるよう後押しして下さったのはMr. and Mrs. 宇宿、当時の校長先生ご夫妻だ。

皆、休みになると世界中にいる保護者の下へ帰っていった。英国やヨーロッパだけでなく、旧ソ連やルーマニア、クウェートなどでの生活をリアルタイムで知ることができたのも、今思えば贅沢な環境であった。学内行事となると結束が固いのも私達の学年の特徴。学内バンドでは萩原がキーボード、黒澤はベースを担当し、リードヴォーカルの青盛の声はみんなの度肝を抜いた。江島は演劇部で青盛と共演。「十二夜」の道化フェステの歌に、その後、世界のオペラハウスで主役をはる青盛の片鱗を見たという。

イタリアで培ったベル・カント唱法で私たちを蕩けさせる青盛は、今も私たちのマグネットだ。神奈川県緊急医療体制重点病院にて、新型コロナウィルス対策の陣頭指揮をとる萩原と、クウェートでの経験に触発されて憲法学者として国境を超える人権を探求し続けている江島、そして大学で慣れないマネジメントに奔走する黒澤も、彼女のコンサートがあると集まってくる。何も言わなくても許し合える、かけがえのない仲間がそこにいる。次のオペラは「蝶々夫人」らしい。(黒澤)

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