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【71-文化】インスタ映えの次に流行るのはライフスタイル“盛り”|久保友香

文・久保友香(メディア環境学者)

「自撮り」コミュニケーション

ユーチューブやSNSで話題になっている「モーニングルーティン」。朝の日課のことだが、ユーチューブにおけるこの言葉の検索数が2018年の平均に比べ、2019年は約3倍、2020年には約6倍に伸びた。以前よりユーチューバーが投稿していたが、新型コロナウィルス感染拡大防止の緊急事態宣言が出ると、休校になった一般の女子中高生たちもこぞって投稿するようになった。

その内容は、起床して、スキンケアをし、朝食をとって、着替え、活動を始めるまでの過程などを「自撮り」したもの。目覚まし時計が鳴るシーンから始まるため、それ以前に目を覚ましてカメラを仕掛けていることがわかる。動画は作られた「モーニングルーティン」なのだ。

一般の女の子の動画では、顔は映されない。朝の光を強調する明度の高い映像に、手描き風の字幕、軽快なBGMが合成され、一見どれも似ている。テレビがこのブームを取り上げた時には「一般人の朝の日課を公開する意味がわからない」などの批判もあった。しかし、これが最新のテクノロジーを活かした女の子同士のコミュニケーションなのである。

「自撮り」そのものは、2000年に初めて一般向けのカメラ付携帯電話(以下、ガラケー)「J-SH04」が発売されると、まもなく女の子の間で広まった。しかしそれ以前から、女の子たちには「自分を撮る」技術が普及していた。1995年に登場したプリクラである。デジタル印刷により複数出力された同じ顔写真シールを、女の子たちは一緒に撮影した友人と分配し、1枚をプリ帳という手帳に貼って、残りを別の友人と交換した。交換して得たシールもプリ帳に貼って、別の友人と見せ合ったことで、一般の女の子の顔写真が、対面したことのない人の目に届くようになる。すると、一部の女の子たちが、実際よりも派手な顔になろうと化粧を駆使するようになり、「盛り」と呼んだ。それがその後のガラケーやスマホでの「自撮り」コミュニケーションに引き継がれてきたのだ。

「デカ目」という「型」

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