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『サコ学長、日本を語る』著者・ウスビ・サコさんインタビュー

著者近影(本人だけ切り抜いてください)

ウスビ・サコ氏

「コロナは社会を見つめなおす良い機会になりました。そんな時、私みたいに日本以外で生まれ育った人間が、客観的な意見を提示することも必要ではないかと思ったのです」

京都精華大学の学長を務めるウスビ・サコさんは、西アフリカのマリ共和国の出身。大学時の中国留学をきっかけに日本にも興味を持ち、1991年に移り住んだ。初の自叙伝となる『サコ学長、日本を語る』は、サコさんが日本社会についてコミカルに語ったものだ。

来日したサコさんが特に驚いたのは、「おない」文化だ。敬語で丁寧に喋っていたのに、同い歳だと分かった途端に距離を縮めてくる。〈なんでやねん。急に変わるからビックリするやんか〉。自分が人と「同じこと」にホッとするのは、日本独自の文化で、その根本は教育にあるのではないかと、サコさんは言う。

「日本の小学校からの教育は一貫して、全員を日本人の集団としてフレーム化していく作業です。個々の物事に対して自分で考えて選択する機会はほとんど与えられず、皆と一緒でなくてはならない、一人だけ取り残されてはならないという心だけが育っていきます」

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