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新天皇・雅子皇后の素顔「あの焼酎、美味しかったです」――杉良太郎【全文公開】

陛下はお酒、雅子さまは生き物が大好き。ご出産秘話から御所の中の私生活まで……新天皇・皇后おふたりに接した人々が素顔を明かす。

文・杉良太郎(俳優)

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 2009年2月、日本とベトナムが前年に外交関係樹立35周年を迎えたことを記念して、当時皇太子だった天皇陛下がベトナムを訪問されました。私は日本とベトナム両国の特別大使を務めており、陛下がハノイを訪れられた3日間、案内役を務めさせていただきました。

 グエン・ディン・チェウ盲学校は、視聴覚障害を持つ子供たちが学校内で生活しています。前年9月に東京で開催されたベトナムフェスティバルに、同校から一部の生徒たちが参加していたのですが、実はそこに陛下も臨席されていました。ですから学校へのご訪問は、生徒たちとの再会の場でもあったのです。

“ハプニング”が起きたのは、歓迎の演奏会でのことでした。演奏の途中で、陛下が私に「後で壇上にあがって、子供たちと会話をしてもよろしいでしょうか」とお尋ねになったのです。演奏終了後、舞台にあがられた陛下は、生徒の一人ひとりと握手をされ、通訳を介して「あなたは昨年日本にいらっしゃいましたか」などと声を掛けられていました。この登壇は予定にはなかったので、随行の方々は大慌てでした。

 陛下の意外な一面を見ることができたのは、夕食の時間でした。1日目に、私がプロデュースした焼き芋焼酎「鹿児島大地」25度をお出ししたのです。それが気に入っていただけたようで、ハノイ滞在中は何度も焼酎の話になりました。2日目の夕食では、37度の原酒をロックでお出ししたところ、「これは一際美味しいですね」と。お酒については相当造詣が深くていらっしゃると拝察しました。

 驚いたのは、最終日にお見送りをした時のことです。車に乗りこもうとした陛下が思い出したようにこちらに近寄ってこられ、「杉さん。あの焼酎、美味しかったです」とおっしゃったのです。私はハッとして、車に戻っていく陛下のもとに走っていき、「東宮様にお送りしてよろしいでしょうか」とお尋ねしました。その後、日本でもお楽しみいただけたようです。陛下のそのような素直さは、令和という時代も国民に親しまれていくことでしょう。



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