見出し画像

小泉進次郎だけじゃない注目すべき若手議員7人衆

文・田原総一朗(ジャーナリスト)

 先日、「1964年の東京オリンピックと2020年の東京オリンピックは何が違いますか」という取材を受けた。私は、その取材を機会にこの55年間に起こったことをじっくりと考えることにした。2つのオリンピックの間に日本も世界も大きく変わった。64年のオリンピックのとき、日本人は自国と世界の発展に大きな希望を抱いていた。IMF(国際通貨基金)においてより多くの義務を課される8条国になり、OECD(経済協力開発機構)に正式に加盟している。敗戦国だった日本は先進国の仲間入りを果たした。

 また、急ピッチで進められた東海道新幹線が開通したことで、「技術大国日本」のアピールの場としてオリンピックはうってつけの舞台となったのだ。

 64年のオリンピック当時の総理大臣は池田勇人である。1960年に就任して早々に「所得倍増計画」を打ち出し、日本人を目に見えて豊かにすることを公約とした人物だ。池田はオリンピックの直後に病気のため退陣するが、高度経済成長を牽引した首相としていまでも評価が高い。右肩上がりの経済の中、日本を舵取りすることが出来た幸運な政治家だったといえよう。

 しかし、2020年のオリンピック時、世界は大きく変わっている。グローバル時代の矛盾が噴出し、アメリカやヨーロッパ、アジアで自国第一主義が蔓延し、各国でデモクラシーが壊れつつある。中には資本主義は終わるなどと過激な意見を言うものもいる。世界の未来はバラ色ではなくなっている。これは日本も同様だ。

 先の見えないこの時代を牽引する政治家の登場は待ったなしだ。私はいまの政界こそ旧勢力を押しのけ、若い世代が、台頭するときだと考えている。

 ここからは全くの私見で、これからの日本を背負うであろうと期待している政治家を紹介したいと思う。

 まず若い世代の政治家といえば、小泉進次郎だが彼はすでに環境大臣に就任しているのでここで詳しくは紹介しない。彼を除いてまず名前を挙げたいのは、彼と共に活動している村井英樹(自民党・衆・1980年生)だ。村井は東京大学卒業後に財務省に入省しFTA(自由貿易協定)交渉や社会保障と税の一体改革を担当した。2016年に歴代最年少で自民党の副幹事長に就任した論客。村井と共に紹介したいのが、小林史明(自民党・衆・1983年生)だ。NTTドコモでサラリーマンを経験し、公募で出馬した若手である。

 2015年に自民党政府は高齢者に3万円の臨時給付金(総額3,600億円程度)を配るという政策を進めようとした。しかし、当選2回に過ぎない小林はこれを「バラマキ政策」と徹底的に批判する。2年生議員が自民党内でこれをやるのは非常に勇気のあることだ。小林の発言に小泉や村井が同調しうねりは大きくなった。

 これを機に3名は「人生100年時代の人生設計」を考える小委員会を党内に作ることになる。私はこの委員会が提案する新しい年金制度(受給開始年を柔軟化)や定年制度を根本から見直すという考え方、子育て対策(こども保険)などは、すぐに実現できなくとも、これからの日本全体の設計を考え直す上で重要なテーマばかりだと考えている。この3名から、これからの日本の国家像・国民像が提案されても私は驚かない。

 そこに加わって現在はその“仕切り役”になっているのが、少し年上の福田達夫(自民党・衆・1967年生)だ。福田は福田赳夫、康夫と続く総理の家系に生まれた。父・康夫の秘書を務めたことで、1億2,000万人の国民のために1人で決断する総理大臣の孤独さを知った。徹底的に勉強して、様々な価値観を持つようにならなければと決意したそうだ。私の見るところ自民党の中でもずば抜けた勉強家であると思う。

この続きをみるには

この続き: 1,095文字 / 画像1枚
この記事が含まれているマガジンを購入する
文藝春秋digitalが送る「2020年の論点100」は、幅広い教養が手軽に身につくマガジンです。今最も人気がある100人の論者が100個の論点を明快に解き明かします。激動の2020年を生きるあなたの強い味方になる1冊です。

日本を代表する知識人たちが2020年に日本が直面する100の課題を徹底的に論じた教養マガジン。小論文対策をしたい高校生から、レポートに困っ…

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
note.user.nickname || note.user.urlname

記事へのご意見・ご感想をお待ちしています。「#みんなの文藝春秋」をつけてご自身のnoteにお書きください。編集部がマガジンにピックアップします。皆さんの投稿、お待ちしています!

ありがとうございます!
3
シェアしたくなる教養メディア。100年近くの歴史がある総合月刊誌「文藝春秋」が、あなたの人生を豊かに彩るコンテンツを毎日お届けします。

こちらでもピックアップされています

2020年の論点100
2020年の論点100
  • 101本
  • ¥1,400

日本を代表する知識人たちが2020年に日本が直面する100の課題を徹底的に論じた教養マガジン。小論文対策をしたい高校生から、レポートに困っている大学生、教養を身につけたいビジネスマンまで幅広くサポート。

コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。