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橘玲さんが今月買った10冊の本

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進化と承認

行動経済学を創始したダニエル・カーネマンは、市場参加者の判断・行動に一定の歪みバイアスがあることをさまざまな独創的な実験で示し、「合理的経済人」の前提を覆したことで、心理学者としてはじめてノーベル経済学賞を受賞した。

『NOISE』ではそのカーネマンらが、合理性を蝕む要因として、バイアスよりもさらに大きな「ノイズ」の存在を論じる。ノイズは判断のばらつきのことで、仮にすべてのバイアスをなくしたとしても、昼食の前か後かのようなちょっとしたちがいで、同じケースに異なる決定が下される。ノイズをなくすには、AIに判断を任せるのが最善だという。

なぜバイアスやノイズがあるかというと、人類が進化の大半を過ごした旧石器時代に、限られた認知能力でもきびしい環境に適応できるように脳が「設計」されたからだ。『なぜ心はこんなに脆いのか』では、進化医学の第一人者が、石器時代に最適化された脳=心のままでアスファルトジャングルを生きざるを得ない現代人が、うつ病のような精神疾患に苦しむ理由を説明する。

近年の脳科学の驚異的な発展が、睡眠や夢に新たな光を当てつつある。『夢を見るとき脳は』では、第一線の研究者が、睡眠が身体的・精神的な健康に重要なだけでなく、わたしたちは眠ることで学習し、創造的になるのだと語る。時間を効率的に使おうと予定を詰め込むより、ぼーっとした時間がある方が生産性は上がるらしい。

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