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「日本インテリジェンス史」著者・小谷賢インタビュー

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表題にある「インテリジェンス」は国家の危機管理や安全保障のための情報を指す。本書はそれらを扱う機関(公安警察や内閣情報調査室、防衛省・自衛隊など)の歴史を辿る。著者は防衛研究所等で各国の諜報・機密研究を続けてきた。

「戦後日本の情報機関の変遷を扱う類書はこれまで、ほとんどありません。関連する公文書の大半が残されていないため、研究対象になりづらいのです」

終戦直後の占領期から本書は始まるが、全編に通底するのは“アメリカの影”である。この国の情報機関のありようは日米同盟に左右されてきた。

「占領期、米国は日本軍の復活を警戒し、戦前に情報機関の中心にいた旧軍人たちの影響力を弱体化させます。冷戦期には“同盟”というアメリカの庇護のもと、日本は外交・安全保障政策を独自に検討する必要がなく、スパイなど国内の問題に集中できた。いわば日本は米国の“下請け”だったのです」

冷戦下の構造が解体されると、今度は安全保障での“自立”が求められた。北朝鮮による「テポドン」の脅威、オウム真理教によるテロ事件などから安全保障上の懸念が高まり、やがて第二次安倍政権時での特定秘密保護法の導入などインテリジェンス改革へといたる。

「ようやく2014年に国家安全保障局が設置されると、内閣情報調査室との連携により情報の集約と政策決定の両輪が回り始めます。第二次安倍政権が実施した特定秘密保護法の制定、日本版NSCの設置は、日本のインテリジェンスを大きく前進させました」

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