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短歌|谷川由里子

おもう壺

遠くから笑ってくれる 近づいて笑ったあとの顔をしている

N響の指揮者のゆびが個性的でみとれていたらきみのおもう壺

立体でまっすぐ立っていてほしいナイトキャップの頭でっかち

あたたかい雨の降る日にみまもった鼻呼吸にも慣れないレディ

艶やかな珈琲がするするとねじれながらなにか思い出しそう

雨の日のつぎの大きな工事現場に堂々とした水たまり

駒沢オリンピック公園 自転車の波をよくみて合間に歩む

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