詩|カニエ・ナハ
二木美月
美月は二年ぶりに、映画館で映画を観ている。
二百年ほど前の映画のリバイバル上映で、
二十数時間の上映時間の間、
えんえんと海だけが映し出されている。
スクリーンのかたわらでは、
手話通訳者が波音を手であらわしていて、
ときどき、その手が鳥に変わったり、
波間にたゆたう、流木や月に変わったりする。
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