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フランス歴史界でも模索されていた「トンデモ史観と専門主義の中間」|辻田真佐憲

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 『思想』3月号の特集「ナショナル・ヒストリー再考」を読んで、大いに刺激を受けた。ここで示されているフランスの現状を、ざっくり要約すればこうだ。評論家やジャーナリストが書いた愛国主義的な歴史本(『フランス人であることの誇り』『フランスの魂』『情熱的なフランス史』など、いかにもなタイトルが並ぶ)が広く受け入れられている。そのいっぽうで、専門化と細分化が進んだ歴史研究の成果は、ますます一般読者に届かなくなっている――。まるでどこかで聞いたような話ではないか。

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