目耳口_今月の美味しい情報

目・耳・口<今月の“美味しい”情報>【全文公開】

▼〔ホタテの旨み〕

 近年、高級な缶詰への人気が高まっている。札幌の「スハラ食品」のブランド缶詰『ほたて缶詰』(1,296円)は、旨みを閉じ込める新製法を採用した、ひと味違う缶詰だ。

 水産缶詰の大半は、ボイルした原料に各種の調味料を加えて作られる。同社では、ボイルした貝柱を天日で干し、旨みを高めてから加工。さらに、茹で汁をフィルターで旨み成分とそれ以外に分け、旨み成分だけを缶に戻している。そのままで食べても美味しいが、缶の汁を出汁の代わりにして、貝柱をほぐして入れた卵焼きは絶品。スープや炊き込みご飯も、汁の一滴も余すことなく味わえていい。

▼〔旬をいつでも〕

 山形県鶴岡市の名産品「だだちゃ豆」は、9月でシーズン終了となる。旬を逃して食べそびれ、悔しい思いをする人も多いだろう。

 そんな人のために、鶴岡市の酒店「木川屋」では『鶴岡白山(しらやま)産 冷凍だだちゃ豆』を通年販売している。収穫して茹でただだちゃ豆を、冷凍技術で定評のある専門業者が風味を活かす特殊な技術で急速冷凍。食べる時は必要な分を、沸騰した湯で20秒程度茹でるだけ。香り高く、コクのある甘みで、食べるのを止められない。同店は県産の銘酒を専門に販売している。とっておきの美酒と合わせて、だだちゃ豆を楽しみたい。500グラム入り1,404円。(問い合わせ先・木川屋 ☎0234・23・6300)

▼〔葡萄園のサイダー〕

 三陸の海に近い畑でブドウを栽培する、岩手県陸前高田市の「神田葡萄園」。創業は明治38年、当時はブドウを絞った果汁飲料が人気だったという。ところが、昭和40年代から安価な清涼飲料や炭酸飲料の流通が始まり、売上が低迷する。打開策として、昭和45年に『マスカットサイダー』を発売した。

 当時のサイダーは香料で味を付けるのが一般的。果汁を混和する技術は確立されていなかったため、同品も無果汁となっている。変わらぬ味を保つため、今でもあえて昔ながらの製法を守っている。さっぱりした甘みとシュワーッとくる炭酸が爽快。昔懐かしい味とレトロなラベルが評判だ。340ミリリットル入り160円。(問い合わせ先・神田葡萄園 ☎0120・55・0809)

▼〔医食同源〕

 富山県では薬づくりが古くから盛んだ。この歴史と健康への想いから生まれたのが、富山市内に本社を置く製薬会社「広貫堂」の『やくぜんカレー』だ。

 材料はたっぷりの野菜に、一つひとつ厳選した27種のスパイス。さらに、「体を温め」「胃腸に優しい」をキーワードとした6つの和漢素材(ウコン、ショウキョウ、ハッカ、チョウジ、ウイキョウ、山椒)を加えて、丁寧に仕上げた。ビーフ(626円)とポーク(583円)の2種類あり、どちらも国産肉を使用。温めたレトルトパックを開けると、豊かな香りが食欲を刺激し、口に入れると奥深い風味が一気に広がる。食は健康の源。「医食同源」がこのカレーに込められている。(問い合わせ先・広貫堂 ☎0120・180・640)

▼〔日韓の作品を展示〕

「有田焼の母」と呼ばれる百婆仙(ペクパソン)は、豊臣秀吉の朝鮮出兵の際に朝鮮から佐賀県に渡った女性陶工であり、有田焼の草創期に活躍した。

 佐賀県有田町には、彼女を顕彰する「ギャラリーペクパソン」が建てられており、現代の日本・韓国の女性セラミックアーティストによる作品を専門に展示・販売をおこなっている。作品からは、女性作家ならではの瑞々しい感性を感じることが出来る。

 訪問者は主に観光客だが、「歴史認識に関心のある中国や韓国の陶芸家やアーティストの訪問も多いです」と久保田均館長は話す。久保田館長は百婆仙の言い伝えに詳しく、その歴史を後世に語り継ごうと活動している。不定休なので訪問前には問い合わせを。(問い合わせ先・ギャラリーペクパソン ☎0955・25・9683)

▼〔ウィーン芸術の軌跡〕

 クリムトが自らのミューズを描いた油彩画「エミーリエ・フレーゲの肖像」も来阪。「ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道」展が、東京に続いて大阪・中之島の国立国際美術館で開催されている。

 クリムトやシーレに代表されるウィーン芸術の黄金期を、モダニズム文化へと続く世紀末文化と位置付けた本展。絵画だけでなく建築や音楽など、近代化までの変遷を多様な視点で捉えた展示手法も特筆すべき点だ。また、コレクション特集展示として「ジャコメッティと Ⅱ」も同時開催。芸術の秋の口開けに。12月8日まで。開館時間は午前10時から午後5時。但し、9月中の金・土は午後9時、10月〜12月中の金・土は午後8時まで開館(いずれも入場は閉館の30分前まで)。月曜休館。観覧料一般1,600円。(問い合わせ先・国立国際美術館 ☎06・6447・4680)



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