見出し画像

詩――最果タヒ【全文公開】

ときめき狂

いつも居心地が悪いのです、愛はどこにもないし、恋もどこにもない、ひとのこころを裂くようにして、向こう側まで探しに行けば見つかる気がしているとき、とても瞳はキラキラして、かかとは浮いて、空まで飛んで行きそうだった。天使になれる可能性、息を潜めている女の子が、家から出てきてぼくに恋する可能性ってどれぐらい?心臓をみしらぬひとに預けてしまった、無数の本を読んだ後に気づいた、ぼくはもう簡単に恋はしないし、幸せとは思わないだろう。雨音ばかりがずっとクリアになって、ぼくはいつか自分が死ぬことを当然だって言い切る大人になってしまう。狂ってんね。



【編集部よりお知らせ】
文藝春秋は、皆さんの投稿を募集しています。「#みんなの文藝春秋」で、文藝春秋に掲載された記事への感想・疑問・要望、または記事(に取り上げられたテーマ)を題材としたエッセイ、コラム、小説……などをぜひお書きください。投稿形式は「文章」であれば何でもOKです。編集部が「これは面白い!」と思った記事は、無料マガジン「#みんなの文藝春秋」に掲載させていただきます。皆さんの投稿、お待ちしています!

▼月額900円で月70本以上の『文藝春秋』最新号のコンテンツや過去記事アーカイブ、オリジナル記事が読み放題!『文藝春秋digital』の購読はこちらから!

★2019年12月号(11月配信)記事の目次はこちら

ここから先は

0字
noteで展開する「文藝春秋digital」は2023年5月末に終了します。同じ記事は、新サービス「文藝春秋 電子版」でお読みいただけます。新規登録なら「月あたり450円」から。詳しくはこちら→ https://bunshun.jp/bungeishunju

文藝春秋digital

¥900 / 月

月刊誌『文藝春秋』の特集記事を中心に配信。月額900円。(「文藝春秋digital」は2023年5月末に終了します。今後は、新規登録なら「…

「文藝春秋digital」は2023年5月末に終了しました。今後は「文藝春秋 電子版」https://bunshun.jp/bungeishunju をご利用ください