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コンビニ問題の正体は24時間営業ではなくビジネスモデルの限界だ

文・園田昌也(弁護士ドットコムニュース副編集長)

 2019年はコンビニ業界にとって波乱の年だった。2月に東大阪市のセブン-イレブン加盟店が営業時間の短縮を強行。メディアでも大きく取り上げられた。

 4月には、加盟店の約4割が本部に不満を感じているなどという経済産業省によるアンケート調査の結果が発表された。6月には同省で「新たなコンビニのあり方検討会」が発足し、持続可能性の観点から議論が進められている。

 一連のコンビニ騒動は、働き方改革の流れもあって、「24時間営業問題」と呼ばれることも多い。しかし取材した多くのオーナーから言われたのは「時短営業は対症療法でしかない」ということだ。

 結論から先にいえば、問題の本質は営業時間ではなく、人件費の高騰などでコンビニ本部と加盟店の利益配分の仕組みが行き詰まりを迎えていることにある。

 多くのコンビニでは「粗利分配方式」という方法で、本部と加盟店が利益を分け合っている。売上高から、仕入れ費用を引いた売上総利益(粗利)のうち、一定額をロイヤルティーとして本部に納めるというものだ。土地・建物を本部が用意する大手3社の一般的な契約だと、本部が半分以上を持って行く。

 加盟店の利益は、残った分からさらに人件費や廃棄(売れ残った商品の仕入れ費用)などの経費を引いたものだ。特に人件費は店の規模にもよるが、月100万円を超えることが多い。

 この点について、オーナーらでつくるコンビニ加盟店ユニオンの酒井孝典執行委員長は、「多くの加盟店が売上は伸びないのに、年々人件費が増えて利益を圧迫していることに悩んでいる」と話す。

 ドラッグストアなどとの競争激化もあり、コンビニ大手3社の1日あたりの平均販売額は、ここ数年ほぼ横ばい。セブンが約65万円、ファミリーマートとローソンが約53万円だ。一方、最低賃金(最賃)は第2次安倍政権になって以降、年々上昇している。全国平均でみると、政権が発足した2012年度に749円だったのが、2019年度は152円アップの901円になった。

 コンビニアルバイトの時給は最賃に近いことが知られている。常時スタッフ2人を配置したとき、時給が5円アップすると人件費は年額で約9万4,000円増える。時給152円アップならば、年280万円超増える計算だ。

 そこで加盟店では、オーナー一家が働く時間を増やすなどして、人件費の抑制に努めてきた。その結果、経営不振店では人件費が高い深夜にオーナーが独り、店舗に立つことが増える。しかし、それにも肉体的な限界がある。

 ここから分かるのは、コンビニの24時間営業というビジネスモデルが安価な労働力によって支えられてきたということだ。しかし、売上の頭打ちと、人件費高騰によって転換点を迎えている。

 そもそも現在、コンビニバイトは最賃ではなかなか採用が難しくなっている。

 これまでコンビニはシフトの強要や、残業代の未払い、クリスマスケーキの買い取り強要、レジ違算金(売上額とレジ内のお金が合わないこと)の自腹補填など、労働法規違反が横行する「ブラックバイト」の代表格として報道されてきた。

 そのうえ、「社会のインフラ」として、光熱費や税金の収納代行など、複雑な業務も多い。しかも年々、新サービスが追加されているため、コンビニの時給を「割に合わない」と捉える人は多い。

 そんな中、コンビニの店舗数は2010年代だけで1万店以上増え、約5万5,000店。店舗間での従業員争奪戦は激化の一途をたどっている。

 ところが、経営不振店には経済的な余裕がないため、人を集めようにも大きく時給を上げることが難しい。

 本来は支払うべき週30時間以上働くスタッフの社会保険料を払っていない加盟店も少なくないと聞く。あるオーナーは「払いたいけど、私たちの生活が成り立たなくなる」と嘆いていた。

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