
日本の顔|夏井いつき(俳人)
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夏井いつき(なついいつき・俳人)
松山は道後温泉のほど近くに構えられた伊月庵。その扉は、万人に開かれている。庵主である俳人・夏井いつき(63)は、“俳句集団”「いつき組」の組長だ。
「結社ではないから、入るのに特別な資格は必要ありません。『俳句って楽しい!』という人は勝手に名乗って、俳句の種蒔きを手伝ってくれたら嬉しいです」
いつき組を“広場”と称する。
「俳句は気の合う人同士で自由に詠めばいい。組長の私が真ん中の噴水近くにいて、それをたくさんの小さなグループが囲む感じ。バラバラでもいいし、たまに噴水に集まってみんなで遊んでもいいわよね」
2020年は、前代未聞の疫病で誰も想像しなかった1年になった。
俳句を詠むうえで大切なのは、何事も一度は肯定してみることだという夏井。「コロナがなければ生まれなかった」と、ここで一句。
冷房ぬるし銃めく新型体温計
20年続けるラジオの投句コーナーには月数万句が寄せられ、一句一句目を通す。2週間分刷り出すと8.55kgに。「さすがに8kg超えは初めて」
ラジオ収録の様子
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