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文藝春秋digital新連載! 野口悠紀雄「リープフロッグ」が始まります。

本日から「文藝春秋digital」で、経済学者・野口悠紀雄さんの連載「リープフロッグ――『日本再生』最後の手段か」が始まります。連載の開始にあたり、野口さんご本人から、動画のメッセージです。

 野口悠紀雄です。

 この連載のテーマは「リープフロッグ」ということです。

 リープフロッグと言うのは、蛙飛びですね。つまり、カエルがジャンプして、前を行く人を飛び越えてしまう。そして、先に行ってしまう。これが、リープフロッグという概念です。

 リープフロッグという考え方は、歴史上のさまざまな現象を理解するのに、大変有効な概念なんですね。

 今、中国では、大変めざましい勢いで経済が成長していますけれども、これを理解するために、リープフロッグという考え方を使うと、色々なことが良く理解できるという面があります。

 リープフロッグというのは、「遅れた者が先に行く」ということですから、ある意味で言えば、「遅れていることを武器にして、それを使って発展する」と言う考え方ができるわけです。

 今の日本は、停滞状態にあります。しかしこれを逆から捉えれば、「リープフロッグを行える条件が整いつつある」ということも言えるわけです。

 つまり、このリープフロッグという現象を上手く利用することによって、日本が将来発展するということも出来ると思います。

 ただし、リープフロッグという現象は、条件が必要です。

 つまり、「新しい技術があれば必ずリープフロッグが起こる」というわけではなくて、これが起こるためには、さまざまな条件、特に社会的な条件が必要なんですね。

 従って、これがどういう条件なのかということを解明していくことが、重要な課題であると思います。

 次回からは、本題に入っていきます。

■野口悠紀雄(のぐち・ゆきお) 1940年、東京に生まれる。 1963年、東京大学工学部卒業。 1964年、大蔵省入省。 1972年、エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。 一橋大学教授、東京大学教授(先端経済工学研究センター長)、 スタンフォード大学客員教授などを経て、 2005年4月より早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授。 2011年4月より 早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問。一橋大学名誉教授。2017年9月より現職。


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