三人の卓子_改_

三人の卓子<読者と筆者と編集者>【全文公開】

成功者の手法

 12月号に掲載された、原辰徳さんのインタビュー『巨人軍は必ず日本一を奪還する』には、組織をまとめるための手法がちりばめられていると感じた。

 原さんは、チームを強くするためには全員が目的を達成する意志を共有することだと考え、監督復帰1年目からチーム改革を行なった。その努力が実を結び、読売ジャイアンツを5年ぶりのリーグ優勝へと導いた。チームの雰囲気をガラッと変えてしまう、リーダーとしての高い能力がうかがえた。

 次なる後継者が誰であるか、その後継者はどのような才覚を持ち合わせているのかということにも、非常に興味が湧いた。

 同月掲載の安倍晋三首相による『失敗が私を育てた』及び、吉野彰さんの『京都から世界にET革命を』でも、チャレンジする重要性について述べられている。

 どの成功者も失敗を恐れずトライしている。やはり失敗は人を育てるのか。私も社会に出たら、このような地道なチャレンジを繰り返し、樹木の年輪のように大きな存在となりたい。(千葉県 古谷聡司 23歳 大学院生)

許しがたい手口

 12月号に掲載された、藤田知也氏による『かんぽ生命「高齢者喰い」の手口』と、池上彰氏による『スクープを潰されたNHK「現場の無念」』を読んで、かんぽ生命による不正販売の許しがたい手口を知った。日本郵政はもっと謙虚に、言葉を尽くして信頼回復に努めるべきだと思った次第だ。

 この不正販売の手口は、昔では到底考えられなかった。私の若い頃は、「簡易保険さんは不幸が起こった時に、面倒な手続き無しに保険金を出してくれた」と、一般の保険と比べてかなり好印象を持たれていたものだ。

 そうした信頼を一気に崩してしまったのだから、今回の手口について日本郵政が弁明する余地はない。

 ひたすらに事実を解明し、被保険者に心から詫びて真摯な姿を見せる以外に、信頼回復への道はあるまい。

 不遜と言えば、日本郵政のNHKへの不当干渉もそうだ。池上さんは、スクープを潰された現場の無念を書いておられるが、私も、郵政の申し入れに強く「報道の自由」を主張しなかったNHK幹部の弱腰に、割り切れない思いを持っている。

 これからでも遅くない。NHKには正々堂々と事実を報じてもらいたいと思う。

 それにしても、いくら「ノルマ」が背景にあろうとも、現場の人間に倫理観が欠如していたのが情けない。強く反省を求める。(京都府 東俊水 86歳 無職)

想定外の水害

 令和元年となるや、2019年秋は大型台風が次々と襲来し、各地に甚大な被害をもたらしました。

 12月号に掲載された、土屋信行氏による『東京沈没「天気の子」が現実になる日』を読んで改めて、昔から東京、特に下町は、数々の水害に見舞われてきたのだと知りました。

 東日本大震災以降、メディアは「想定外」という言葉を頻繁に使うようになりました。地震ばかりではなく、今後は水害にも「想定外」が起こり得るのだと、最近の台風被害を見ていると感じます。

 天災の前には「逃げるに如かず」です。令和の水害で注目されたのが、車中死でした。少し避難が遅くなっても、車なら大丈夫という考えは、捨てたほうがいいのでしょう。早め早めに高所へと避難しておくことが何よりです。

 私が住む茨城県北部も、台風で甚大な被害を受け、改めてその恐ろしさが身に染みました。

 土屋氏が締めくくるように、1人でも多くの人が危機感を持って行動することが大事なのだと思います。(茨城県 古神早苗 主婦 60歳)

強くなるための努力

 12月号に掲載された、元稀勢の里・荒磯寛さんの『稽古を改革して横綱を育てたい』を拝読しました。

 私は親方の、現役時代の力強い相撲が強く印象に残っていますが、この記事を読んで、相撲の稽古法や弟子の育成などに対して、研究熱心な方でもあるのだなと気づかされました。

 そのなかで、次の内容が特に心に残りました。

「一般的には『気持ちが強くなければ勝てない』と思われがちですが、メンタルが弱くても強くなれます。実際、私はめちゃくちゃビビりでした。超小心者です」

 恥ずかしながら、私自身は心の弱い人間と認めざるを得ません。大事なところで力を発揮できないなど、人生で損をすることが多かったように感じます。

 強い人間になりたいと思い、努力をしたつもりですが、今振り返ると、ただ力んでいただけではなかったのかという気がします。

 記事ではこう続けられていました。

「小心者の強みは、小心であることを自覚しているがゆえに準備ができることです。

 だから、別に気持ちが弱くたって構わない。人それぞれ、自分に見合った準備をすることのほうが大事だと思います。

 そういった意味で私が重視したいのは、心が強いことより脳みそ、考える力です」

 この文章を読み、私は本当の意味での「強くなる」ための努力を、今までしていなかったのではないかと気づきました。

 自分の傾向を知り、何を身につけるべきか、そのために何をすべきかを考えて行動しよう。この記事で得た気づきを、日々の生活や仕事に生かしていき、少しでも「強い人間」になりたいと思いました。

 末筆ながら、荒磯親方の今後のご健闘とご活躍をお祈り申し上げます。(広島県 西村広志 45歳 NPO法人非常勤スタッフ)

健康に歩く

 12月号の特集『健康寿命はまだまだ延ばせる』を興味深く読んだ。

 高齢者の体力年齢が10歳程度若返っているニュースもあり、私自身それを意識しつつ、長く健康でいられるように日頃から心がけている。

 2年前からはウォーキングに加え、山歩きを始めた。始めた頃は、急な坂を登ると動悸が激しくなり息もあがったが、最近は自分に合ったペースが掴めるようになり、楽しく歩いている。

 山を歩いていると、後期高齢者の年齢と見える方々がたくさん見受けられる。継続は力なり、といったところだろうか。急な坂でも力強く歩かれている姿を見ると、こちらも力づけられる。

「歯科治療」や「脱水」の話も大変参考になったが、なかでも田中尚喜さんの『高齢者の「大股」「腕ふり」は間違い』は大変参考になりました。

 少しでも長く健康に、そして自由に歩けるように、しっかりと体調管理していきたいと思います。(大阪府 姫野豊 69歳 無職)

『キャリー』の衝撃

 12月号に掲載された『スティーヴン・キング偏愛作家座談会』に目が留まり、キング作品について冲方丁さんや綿矢りささんなどが語り合うとは、なんて贅沢な企画なんだろうと思いました。

『IT』『シャイニング』など、私が好きな作品が山のように挙げられていき、それだけでも「うわっ」と思うのに、それを皆さんでああだこうだとワイワイ喋ってくれるのが嬉しかったです。

 その中で私が知らないこともたくさんあり、「へえ、そうなんだ」と頷きながら読みました。

 例えば『シャイニング』の映画は、実は作者であるキング自身は好きではなかったという話題です。私は小説にも映画にも触れた人間ですが、言われてみると「あ、そうかもしれない」と、キングの気持ちに納得できました。

 どうしても映画にはゾッとするシーンもあって、そちらのイメージが強いですが、小説の方は確かにホラーと言うよりも人間を描いている感じがしました。

 個人的には、キング作品の中では映画『キャリー』が好きです。豚の血を浴びてから会場をパニックに陥れるあのシーン。初めて観たときは夢にまで出てきて、一晩中うなされました。

 そこには、いじめられて復讐に燃えるキャリーと、それを止めることができないクラスメイトがいて、「いじめって怖いわ。俺には出来ん」と思った記憶があります。

 作者であるキングの意図は違うかもしれませんが、あれはいじめ防止に役立った点もあったかと思います。

 現在、キングは70歳を超えているといいます。なのに、どんどん作品を生み出し続ける。そのどれをとっても、質の高い作品ばかりです。

「老い」など全く関係なしに、自分の仕事をやり遂げるキングに、頭が下がる思いがしました。(岐阜県 細江隆一 51歳 公務員)

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