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不毛な評論家叩きはそろそろ卒業せよ|辻田真佐憲

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※本連載は第2回です。最初から読む方はこちら。

 評論家叩きは、SNS的言論の悪弊のひとつである。具体的に言えば、たとえば池上彰や佐藤優などといった著名人の発言を細かくチェックして「間違いだらけ!」と叩くことが、そこでは“知的”だと褒めそやされている。

 しかし、少なからぬひとが薄々気づいているように、このような粗探しは、かならずしも公共的とは言いがたい。なぜならそれは、短期的に知識をひけらかすことにはなっても、長期的に社会をより良い方向に動かし、変えていくという、“本当に知的な態度”とはしばしば縁遠いからである。

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