見出し画像

大学受験に役立つ古典#3 大学受験に読書が必要な理由

文・三宅香帆(文筆家・書評家)

 読書とは、「ひとりで勝手に文章を読み、それを理解し、覚える」ことの練習になる。だって授業だったら「先生の授業を聞いて、それを理解し、覚える」ことの練習しかできない。だけど受験はそれだけだと厳しいものがある。ひとりで志望校の赤本の解答を読み、ひとりで理解しなければいけない。もしきみがたとえ志望校対策をしてくれる予備校で授業を受けていても、模擬試験の解答やら、自分で買ってきた参考書の解説やら、「ひとりで読まなければいけない」ものがたくさんある。

 そんなとき、大切なのは、まず「ひとりで勝手に文章を読み、理解し、覚える」ことの練習だったりする。要は文字を読むことへの抵抗をまずなくそうねー! って話である。もちろん、こんな文章(私の文章のことです)をさらさらと読めているあたり、「ひとりで文章読むくらいできるわ」と鼻で笑えるかもしれない。それは大変すばらしいことなので、実際どんな本を読むといいか? を述べているページにとんでほしい。

 そして、私は大学受験に必要な能力としては「ものを読んで理解し、覚えて、自分のひきだしにそれを入れる力」と「反射的にひきだしの中のなにが必要かを判断し、差し出す力」のふたつがあるといったけれど、後者に関しても、やっぱり読書が役に立つ。

 参考書やら解答やらを読んで、理解し、自分のひきだしに入れてちゃんと応用できるようにしたところで、テストでその知識を使えなくては意味がないのだ(たぶんテストを実際に受けてるきみのほうがしみじみと感じていることだろうけれど)。覚えて応用できるようになった「ひきだしの中のもの」(※ここでいう「ひきだし」は、脳みそのなかの記憶力をつかさどる部分、くらいに考えてもらえればオッケーです)を、ちゃんとテストで引っ張り出してこなければいけない。テストで問題を見たとき、「あ、ここの答えは、あの参考書のあの場所にのってた単語だ!」と思い出さなくてはいけないのだ。

 ぶっちゃけ大変である。覚えてるだけじゃ意味ない、なんて過酷な世界だ。

この続きをみるには

この続き: 587文字 / 画像1枚
この記事が含まれているマガジンを購入する
文藝春秋digitalが送る「2020年の論点100」は、幅広い教養が手軽に身につくマガジンです。今最も人気がある100人の論者が100個の論点を明快に解き明かします。激動の2020年を生きるあなたの強い味方になる1冊です。

日本を代表する知識人たちが2020年に日本が直面する100の課題を徹底的に論じた教養マガジン。小論文対策をしたい高校生から、レポートに困っ…

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
note.user.nickname || note.user.urlname

記事へのご意見・ご感想をお待ちしています。「#みんなの文藝春秋」をつけてご自身のnoteにお書きください。編集部がマガジンにピックアップします。皆さんの投稿、お待ちしています!

ありがとうございます!
1
シェアしたくなる教養メディア。100年近くの歴史がある総合月刊誌「文藝春秋」が、あなたの人生を豊かに彩るコンテンツを毎日お届けします。

こちらでもピックアップされています

2020年の論点100
2020年の論点100
  • 101本
  • ¥1,400

日本を代表する知識人たちが2020年に日本が直面する100の課題を徹底的に論じた教養マガジン。小論文対策をしたい高校生から、レポートに困っている大学生、教養を身につけたいビジネスマンまで幅広くサポート。

コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。