【16-政治】 【菅新政権の課題】 再燃必至 小池百合子「女性初の総理」への野望|和田泰明
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【16-政治】 【菅新政権の課題】 再燃必至 小池百合子「女性初の総理」への野望|和田泰明

文・和田泰明(「週刊文春」記者)

「権力に憑かれた女」

小池百合子(68)には「悪運」がある。

その象徴的なシーンが、1期目の小池都政では3度あった。

2016年8月、小池は都知事就任1カ月で、築地から豊洲への市場移転延期を決定。“暴走”と思われたが、直後に土壌の有害物質を遮断する「盛り土」が豊洲市場でなされていないことが発覚し、“英断”とされた。19年10月、IOC(国際オリンピック委員会)が東京五輪マラソン・競歩会場の札幌市への移転を突然発表した際は、小池は無駄だと知りながらIOCに徹底的に抵抗。存在感を示した。そして20年初めのコロナ禍勃発。7月の都知事選を前に、政府・自民党は“政治休戦”を余儀なくされた――。

私は著書『小池百合子 権力に憑かれた女 ドキュメント東京都知事の1400日』(光文社新書)の中で、小池がそうした「悪運」を手繰り寄せ、巧みな“政治勘”で権力を維持する様子を描いた。

40歳で国会議員となった小池は、防衛相、総裁選出馬、自民党三役と「女性初」のポジションを切り開いた。「女性初の総理」が視野に入らないわけがない。だが06年、年齢も当選回数も下の安倍晋三が総理となり、目算が狂う。稲田朋美、丸川珠代ら小池より若い女性議員が台頭し、「ポスト安倍」には小池より5歳下の石破茂と岸田文雄が確実視された。

しかし、小池は終わらなかった。16年、自民党に刃を向けることで「女性初の都知事」の座を手に入れるのだ。

20年7月の都知事選で、小池は歴代2位の366万票を獲得し、軽々と再選された。メディアの関心は小池の国政復帰、すなわち「女性初の総理」の可能性に移った。小池は「当選したばかり」などと煙に巻いたが、その2カ月後、またも「悪運」が舞い込んだ。

安倍の突然の辞任、そして菅義偉総理の誕生である。

菅は小池より4歳年上。自民党四役に81歳の幹事長・二階俊博以下、平均年齢72歳の「おっさん」が並ぶ姿は、世代交代の針が逆戻りしたことを印象づけた。新内閣の顔ぶれは派閥均衡、女性登用は2人。かつて小池が揶揄した「おっさん政治」そのものだ。「権力に憑かれた女」は“政治勘”を研ぎ澄まし始めたに違いない。

事実、小池の動きは素早かった。菅内閣発足の日、小池は知事就任後初めて、来年度の東京都予算をめぐって自民党東京都連と面会して意見交換を行った。自民との雪解けをアピールして見せたのだ。

これは今後の都政を見据えるというよりも、「女性初の総理」に向けた国政復帰への地ならしに思える。

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