【49-経済】テスラがトヨタを超えた「非常識」の力|竹内一正
新型コロナウイルスに関係する内容の可能性がある記事です。
新型コロナウイルス感染症については、必ず1次情報として厚生労働省首相官邸のウェブサイトなど公的機関で発表されている発生状況やQ&A、相談窓口の情報もご確認ください。またコロナワクチンに関する情報は首相官邸のウェブサイトをご確認ください。※非常時のため、すべての関連記事に本注意書きを一時的に出しています。
見出し画像

【49-経済】テスラがトヨタを超えた「非常識」の力|竹内一正

文・竹内一正(作家、コンサルタント)

テスラのEV戦略

世界中がコロナ禍に揺れる2020年7月1日、イーロン・マスク率いる「テスラ」の時価総額は2076億ドル(約22兆3000億円)に達し、トヨタ自動車の21兆7185億円を超え、世界の自動車メーカーのトップに立った。電気自動車(EV)しか作らず、創業わずか17年の「新参者」のテスラが、長い歴史を持つ巨大企業トヨタやフォルクスワーゲンなどを抑えて、自動車業界の頂点に立ったことは新たな時代を象徴している。テスラは、常識破りの自動車メーカーだ。創業時の2003年、自動車大手はガソリン車を絶対的な主力とし、EVはオマケ程度だった。しかし、テスラはEVだけの専業メーカーとして打って出た。

デザインとスピードがテスラ車の大きな特徴だ。他社のEVは、ずんぐりむっくりのダサい車体デザインだったのに対し、テスラはスタイリッシュなフォルムを実現した。しかも、走行スピードはポルシェを凌駕する速さだ。これにブラッド・ピットなど有名人が飛びついて話題となった。テスラのEV戦略は1000万円を超える高級車で、カッコいいイメージを作り出すことだった。そして、イーロン・マスクの戦略は的中し、ブランド力はみるみるうちに高まっていく。

所有していてカッコいい、走っていると周りの注目を集める高級EV。それがテスラだ。米国や中国でも颯爽と走っている姿をよく目にする。政府のEV補助金に加え、ガソリン車販売禁止の動きが活発化していることも後押ししている。その意味では日本は周回遅れといえる。

地球規模で考える経営者

世界の投資家たちは、なぜテスラに熱狂するのか? 2019年のテスラの売上は約246億ドル(約2兆6568億円)で販売台数は約36万台。かたやトヨタの売上は約29兆9299億円で販売台数は約1074万台。売上で10倍以上、販売台数では30倍もトヨタに離されている。それにもかかわらず、テスラが時価総額でトヨタを超えたのは、とりもなおさずイーロン・マスクという人物への期待値の表れなのだろう。

イーロン・マスクは異端の経営者であり、手がける事業は多様で幅広い。テスラのEVだけでなく、スペースXによる宇宙ロケット、さらにはエネルギーと、一見何の関連もないように我々には見えてしまう。しかし、全てが結びついている。温暖化などの環境破壊に苦しむ地球は、増加する人口を支えきれなくなる。人類は地球以外の惑星に移住する道をいずれ選ばなくてはならないとイーロンは考えた。

この続きをみるには

この続き: 1,632文字 / 画像1枚
この記事が含まれているマガジンを購入する
ピンチをチャンスに変える力――それが「教養」だ! これ1つで、小論文対策をしたい高校生、レポートに困っている大学生、豊富な知識を身につけたいビジネスマンまで幅広くサポート。教養人に必須のマガジンです。

【12月1日配信スタート】毎日、朝晩2本の記事を配信。2021年の日本、そして世界はどうなる? 「文藝春秋」に各界の叡智が結集。コロナ禍で…

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
文藝春秋digital

記事へのご意見・ご感想をお待ちしています。「#みんなの文藝春秋」をつけてご自身のnoteにお書きください。編集部がマガジンにピックアップします。皆さんの投稿、お待ちしています!

ありがとうございます!
月刊誌『文藝春秋』の特集記事を中心に、一流の作家や知識人による記事・論考を毎日配信。執筆陣のオンラインイベントも毎月開催中。月額900円で記事読み放題&イベント見放題のサービスです。