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鈴木貫太郎 バラが咲く官邸で 鈴木道子  100周年記念企画「100年の100人」

昭和天皇との阿吽の呼吸で無条件降伏を決めた首相鈴木貫太郎(1868~1948)。二・二六事件当時は侍従長で、反乱軍に襲われ重傷を負った。孫の道子氏(90)が語る。/文・鈴木道子(音楽評論家)

祖父は背が高く肉厚でガッチリとした体格でした。威風堂々として、人柄も身体も大きな人だったという印象が強いです。小さい頃、祖父に飛びつくと、家族から「大木にセミ」とからかわれましたね。映画などで枯れた老人として演じられることが多いですが、生気に満ち溢れていた祖父だからこそ難局に立ち向かえたのだと思います。枯れた老人ではできませんよ。

終戦の年の5月、母に連れられ首相官邸を訪ね、祖父と会いました。当時、私は13歳。東京女子高等師範学校附属高等女学校の2年生でした。敗色は日増しに濃くなり、空襲を避けるため、1、2年生は秋田県由利本荘市に疎開(勤労動員)することになりました。そこで東京を離れる前に祖父に挨拶するため、首相官邸を訪ねたのです。

鈴木貫太郎 トリム前

鈴木貫太郎と妻・たか

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