
UFO見解から見えた、菅義偉首相の「本質」|プチ鹿島
12
自民党総裁選を前に、菅義偉氏への「スポーツ7紙合同インタビュー」が行われていた。中でもひときわ目を引いた質問は「UFOの存在を信じますか?」。思いがけない問いから見えてくる、政治家の「本質」とは何か。(文・プチ鹿島/時事芸人)
【選んだニュース】「菅氏にUFO見解直撃」(9月5日、東京スポーツ)
プチ鹿島さん
新聞を13紙購読しているが、スポーツ紙は「無くてもよいかもしれないが、無くては困るもの」と私は思っている。世の中に必要な情報しか存在しなくなったらつまらない。スポーツ紙を楽しむには余裕も必要。自分のコンディションも測れる媒体なのである。
そして、無駄と思える情報にこそ大事なことが含まれていることもしばしば。
先日行われた自民党総裁選で菅義偉氏への「スポーツ7紙合同インタビュー」という企画があった。どこのパンケーキが好きかとかやわらかめの質問が出ていたなかで、私はある問いに目を止めた。
「UFOの存在を信じますか? 排他的経済水域を犯されたら自衛隊を出動させます?」
合同インタビューなのでその紙面には質問をした新聞社名は記載されていなかった。でも確信した。夕方、買ってきた新聞をひろげると「菅氏にUFO見解直撃」(9月5日)という見出しが。やはり東スポだった!
菅義偉氏
東スポの「UFOの存在を信じているのか」という質問に菅氏は「私は信じていないですね。(UFOは)存在しないと思っていますけどね。目撃したこともないですよ」と笑いながら話したという。
しかしUFOが排他的経済水域を侵犯した場合に「自衛隊を出動させる考えがあるか」と東スポはさらに問う。菅氏は「まあ、いずれにしろ(自衛隊に)警戒させますよ(笑い)」と返答。
UFOなんてくだらないと思う方もいるだろう。鼻で笑う方もいるだろう。しかしこういう切り口から普段のニュースからは見えない「人間」が見えたりする。
月刊誌『文藝春秋』の特集記事を中心に幅広いテーマの記事を配信しています。政治家や経営者のインタビュー、芸能人の対談、作家のエッセイ、渾身の調査報道、一流作家の連載小説、心揺さぶるノンフィクション……月額900円でビジネスにも役立つ幅広い「教養」が身につきます。
12
月刊誌『文藝春秋』の特集記事を中心に、一流の作家や知識人による記事・論考を毎日配信。執筆陣のオンラインイベントも毎月開催中。月額900円で記事読み放題&イベント見放題のサービスです。