原点回帰――片山勝三

文・片山勝三(興行師)

 芸人がライブを行う「劇場」という興行の世界で20年以上生きてきた僕から、これから芸人として生きると決めた方へお伝えします。

「素晴らしいタイミングで芸人として生きていく覚悟を決めましたね!」と。

 社会が窮屈になり、お笑いが大変なときに何を言っているんだ、と思われるかもしれません。でも、倫理観が強まる中、芸人が芸人らしく生きて大金持ちになれるような、そして若者から絶大な支持を受けるような世の中がまた来るという確信が、僕にはあります。そのためにすべきことがあります。

 それは、劇場という舞台で、お客様と芸人を直接つなぐことです。

 そのお手伝いをするために、僕は吉本興業でマネージャーを10年務めた後、劇場でのライブ制作を主に行う、スラッシュ―パイル.という会社を、2009年に立ち上げました。実は、劇場という場を活用すれば、ビートたけし、明石家さんま、ダウンタウンといったビッグネームの芸人より、お金を稼ぐことが出来るようになるのです。

 今までの芸人はテレビの出演料で何億と稼いでいました。しかしテレビの視聴者離れによる広告費の低下の影響で、高額の出演料が支払われる状態にはきっと戻らなくなります。

 さらに問題なのは、お客様と芸人がとても遠いところにいる現状です。

 お客様が商品を購入し、お金が企業に入る。その企業が広告費としてテレビ局にお金を払う。テレビ局はその中から番組制作費を捻出する。その一部が番組に出演する芸人の事務所に支払われ、その後ようやく芸人に出演料として届く。たくさんの手数料が引かれて、芸人の手元に来る頃には僅かなお金となっています。

 だから、一番お金を稼げる方法は何か。

 もうお分かりですね。

 そうです! お客様から直接お金をもらうのです!

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