見出し画像

詩|水沢なお

ターン

昼ごろ 顔を洗った石鹸が口の中まで落ちてきて
もう笑えないことに気づく
うすい紙から泳ぎだす 水を吸う背骨
うしろむきに歩いても きみのカードに触れない
性器のひび割れたアクリルが 顔だけ荷台のうえで揺れている
ああ こんな爪だっけ どっちのぼくがひっかいたんだっけ
ターンエンド トリニタイト
コンタクトしたままだってきいたよ
さなぎに近づいちゃうけどもういいの
からだの内側に宿った種子を ぼくはやさしく舐(ねぶ)ってあげる
ねえ茎が瞳の色と同じだね
目の見えないきみのために宝石を買ってあげる



【編集部よりお知らせ】
文藝春秋は、皆さんの投稿を募集しています。「# みんなの文藝春秋」で、文藝春秋に掲載された記事への感想・疑問・要望、または記事(に取り上げられたテーマ)を題材としたエッセイ、コラム、小説……などをぜひお書きください。投稿形式は「文章」であれば何でもOKです。編集部が「これは面白い!」と思った記事は、無料マガジン「# みんなの文藝春秋」に掲載させていただきます。皆さんの投稿、お待ちしています!

▼月額900円で『文藝春秋』最新号のコンテンツや過去記事アーカイブ、オリジナル記事が読み放題!『文藝春秋digital』の購読はこちらから!

★2020年5月号(4月配信)記事の目次はこちら

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
文藝春秋digital

記事へのご意見・ご感想をお待ちしています。「#みんなの文藝春秋」をつけてご自身のnoteにお書きください。編集部がマガジンにピックアップします。皆さんの投稿、お待ちしています!

ありがとうございます!
21
月刊誌『文藝春秋』の特集記事を中心に、一流の作家や知識人による記事・論考を毎日配信。執筆陣のオンラインイベントも毎月開催中。月額900円で記事読み放題&イベント見放題のサービスです。