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詩|水沢なお

ターン

昼ごろ 顔を洗った石鹸が口の中まで落ちてきて
もう笑えないことに気づく
うすい紙から泳ぎだす 水を吸う背骨
うしろむきに歩いても きみのカードに触れない
性器のひび割れたアクリルが 顔だけ荷台のうえで揺れている
ああ こんな爪だっけ どっちのぼくがひっかいたんだっけ
ターンエンド トリニタイト
コンタクトしたままだってきいたよ
さなぎに近づいちゃうけどもういいの
からだの内側に宿った種子を ぼくはやさしく舐(ねぶ)ってあげる
ねえ茎が瞳の色と同じだね
目の見えないきみのために宝石を買ってあげる



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