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武田徹の新書時評| “人間という管”の入口と出口

評論家・専修大学教授の武田徹さんが、オススメの新書3冊を紹介します。

 “人間という管”の入口と出口 

 「人間は、しょせん一本の管である」と書いたのはエッセイストの山口瞳だった。確かにいかに金持ちでも才人でも食べては排泄を繰り返す“食物の通り道”として一生を終えることに変わりはない。

しかし、その“管”は実はなかなかのものらしい。辨野義己『「腸内細菌」が健康寿命を決める』(インターナショナル新書)によれば、腸内では1000種類にも及ぶ細菌が活動し、消化吸収を助けるだけでなく、生活習慣病の予防や免疫系の調整、さらに精神状態の安定化にまで深く関与しているという。そんな腸内環境を研究する著者は出てきた便を手がかりに“管”の中を調べる。世界中の人に「あなたのウンチを私にください」とお願いしてきた研究人生の悲喜こもごもの描写は本書の香ばしい魅力だ。 

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