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「文藝春秋」2023年11月号 編集だより/目次

★組織は神輿に乗る人と担ぐ人が両方いて成り立つもの。森功さんの描く安倍派慶應義塾を見比べると、安倍派は神輿に乗りたがる人ばかり、慶應は担ぐ人が大勢いるからこそ隠然たるパワーを保持していることがわかります。

★20世紀を揺さぶった思想が共産主義だとすれば、21世紀のそれはイーロン・マスクを象徴とするテクノロジー至上主義かもしれません。橘玲さんの論文は、民主主義国家を脅かしかねない思想が米国で生まれつつあるという警鐘です。

★五木寛之さんが昭和歌謡の尽きせぬ魅力を解き明かし、現代の万葉集を編もうと大プロジェクトを呼びかけました。来春の完成を目指し、本誌も一役買わせていただきます。

赤坂太郎で約40年間、カットを描き続けてくださった所ゆきよしさんが亡くなりました。ご冥福をお祈りします。

★大きな反響を呼んだ小林旭さんの連載も今回が最終回。ありがとうございました。

★藤原正彦さん、秋元康さんの連載は休載します。


人が悦びを感ずる時 古風堂々54 藤原正彦
いきものの匂い 堺雅人
首相の夏休みを考える 原武史
「坂本図書」とヒガンバナ 鈴木正文
動物言語学の幕開け 鈴木俊貴
「没後三十年中上健次写真展」を終えて 渋谷典子
十年一昔、十年一日 上田岳弘
ロマンチストな経営者の眼 藤沢文翁
『点と線』を読む 日本人へ242 塩野七生


森喜朗元首相へ献上された疑惑の紙袋 森功
最大派閥・安倍派の跡目争いは恐ろしいほど醜悪だった
森氏のもとを訪れた安倍派幹部が 「わずかですが……」と差し出した紙袋。 そこに入っていたのは……
橘玲のイーロン・マスク論
ハイテクの寵児は民主主義国家の脅威になろうとしている
最強の学閥パワーを解剖する
慶應義塾の人脈と金脈
1 いたるところに三田会あり
——その人脈
2 鉄の結束ゆえの驚異の集金力
——その金脈
3 塾の核心・幼稚舎は謎だらけ
——勉強は教えない、終生の友をつくれ
4 三田会は福澤諭吉のピンチから生まれた 片山杜秀
——「社中協力」に魂を入れた西南戦争 
5 甲子園優勝の陰に日吉倶楽部あり 柳川悠二
——強さの秘密は髪型や推薦入試だけではない
6 生涯の師と友を得た
——松竹・迫本淳一会長インタビュー


グリーン経済安保を脱中国依存で進めよ 北村滋
中国不動産バブルは崩壊したのか 高口康太


わが囚人生活226日 角川歴彦(KADOKAWA前会長)
「人質司法という問題を自らの経験から指摘したい」──検察の暴走を訴える痛哭の手記


巨匠フランク・L・ライトと日本の100年 隈研吾
インド仏教の最高指導者は日本人 佐々井秀嶺


昭和歌謡で万葉集を編もう 五木寛之
各界の識者に呼びかけ、千年先まで残る100曲を選びたい。
そしてこれを「昭和万謡集」と名付けたい──


特別エッセイ
香りがこわい 佐藤厚志(芥川賞作家)
美智子さまが狙われている 河西秀哉
上皇上皇后両陛下に対するネガティブな感情はなぜ湧きおこるのか
別に怒られたっていいじゃない 島田雅彦・市川沙央
気をつけて、それは無礼語です! 関根健一・飯間浩明
梨園の母ドキドキ奮闘記 寺島しのぶ
長男・眞秀の初舞台。毎日が息苦しく、生きた心地がしなかった


「熱き心に」と幻のレコード大賞 小林旭 回顧録 最終回 
菊池寛 アンド・カンパニー23 鹿島茂
記者は天国に行けない22 清武英利
有働由美子対談58 杉本昌隆(将棋棋士)
ムーンサルトは寝て待て5 内館牧子
病葉草紙 第六話 脹満 中編 京極夏彦
日本の地下水脈36 保阪正康
新世界地政学146 船橋洋一
ハコウマに乗って33 西川美和


BOOK倶楽部
▶︎角幡唯介角田光代片山杜秀本郷恵子
▶︎今月買った本 本上まなみ
▶︎著者は語る
▶︎新書時評


グラビア
▶︎日本の顔(山根基世) 
▶︎名品探訪25「暮らしとカシミア」
▶︎名画が語る西洋史135 
▶︎棟方志功の青森へ
▶︎小さな大物(膳場貴子)
▶︎同級生交歓 堺市立浜寺中学修道高校
▶︎目耳口
▶︎作家が愛した名店6 (江戸川乱歩)


ベストセラーで読む日本の近現代史 佐藤優
▶︎赤坂太郎
▶︎新聞エンマ帖
▶︎丸の内コンフィデンシャル
▶︎霞が関コンフィデンシャル
▶︎日本語探偵・飯間浩明
▶︎数字の科学・佐藤健太郎
▶︎大相撲新風録・佐藤祥子
▶︎オヤジとおふくろ 金子由里奈有賀薫
▶︎スターは楽し・芝山幹郎
▶︎考えるパズル
▶︎三人の卓子
▶︎詰将棋・詰碁
▶︎マガジンラック
▶︎蓋棺録
短歌・榊原紘、俳句・土井探花、・黒川隆


表紙の言葉「昭和の太陽」 村上裕二
編集だより

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