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田中邦衛 普通の人が一番のプロ 田中淳子 100周年記念企画「100年の100人」
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田中邦衛 普通の人が一番のプロ 田中淳子 100周年記念企画「100年の100人」

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ドラマ「北の国から」など、数々の名作で親しまれた俳優・田中邦衛(1932~2021)。長女の田中淳子氏が、父との思い出を明かす。/文・田中淳子(長女)

徹底的に「利他主義」の人でした。サービス精神が旺盛すぎるほど旺盛で、父がいると周りは自然と笑顔になったものです。

私が物心ついた頃から、父は仕事が忙しく、休みで家にいるのは年に数回レベル。それでも、お正月やクリスマスなど、家族の行事は大事にしてくれていました。夏休みの旅行では、車の運転をするためだけに、撮影の合間を縫って来てくれた。目的地まで運転して、すぐに現場に戻ることもありました(笑)。

家では疲れた様子を全く見せず、よく家族を笑わせてくれました。撮影現場でスタッフさんにイタズラをするのが好きで、帰宅後、「今日はこんなイタズラをして上手くいった」と嬉しそうに話していました。

人に対する態度は、誰に対しても変わりません。家族で外食に行っても、お店の方に冗談を言って笑わせている。ただ、偉そうな人が寄ってきて、名刺を渡された時には、そっとテーブルに置いたまま帰ってしまったのを覚えています。権威主義的な人が苦手だったのでしょう。

若い頃、筆まめでよく母に手紙を出していた父。私にも、人生の節目には、手紙をくれました。印象に残っているのは、私が報道記者として就職した際のもの。激励の最後に、珍しく、戒めの言葉がありました。

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田中邦衛

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