小林信彦 双葉十三郎「スタア」の頃
あなたの〈人生を決めた本〉について書くようにと言われて、考えていたところ、若い人に「あなたの場合、それは映画批評家の双葉十三郎さんの1冊じゃないですか」と言われた。
「あ、その手もあったか」
私は思った。映画に関しては早熟といっても良い。小学生のころ(本当は国民学校(、、、、)生のというべきだが)町内の床屋へ行くと、待たされる間に本棚にあった「新映画」などを読んだ。なぜかシナリオを読むのは早いので、黒澤明の脚本の「姿三四郎」などはあっという間に読み上げ、特撮の裏話なども読んでいた。
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