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遺伝子組み換え食品の恐怖 鈴木宣弘

文・鈴木宣弘(東京大学大学院農学生命科学研究所教授)

鈴木宣弘氏 ©文藝春秋

 遺伝子組み換え(GM)作物は、特定の除草剤(ラウンドアップなど)に対して耐性を持つものが多数開発され、大豆やトウモロコシなどの作物にも雑草にも区別なく散布しても、作物は枯れずに雑草だけが枯れる。そのため、除草の手間が削減でき、雑草の駆逐により収量も上がるとされてきた。

 しかし、除草剤をかけても枯れない耐性雑草が出現するため、除草剤の量を増やし、新たな除草剤とそれに耐性を持つGM作物の開発もするが、再び耐性雑草が出現するというイタチごっこに陥っている。このため想定された生産の効率化も図れず、環境や人体への影響への懸念も高まる事態となっている。

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