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トマホークはなぜ必要か 小川和久

文・小川和久(静岡県立大学特任教授)

小川氏 撮影・塔下智士

 国家安全保障戦略など安保三文書の改定を受けて、日本の防衛論議はかつてないほど熱を帯びてきている。議論を加速させているのは、ロシアのウクライナ侵略に触発された中国の台湾侵攻の可能性や、活発化する北朝鮮の弾道ミサイル発射への国民の危機感だ。本稿では不安を抱く国民に現実的な解を提示したい。

 まずは敵の実力を正しく測ること。本誌2022年10月号で詳述したように、中国軍には台湾への本格的な着上陸侵攻能力はない。海上輸送、航空・海上優勢の能力不足だけでなく、データ中継衛星など軍事インフラの整備が著しく遅れている。

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