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短歌|永田和宏

この夏の死

限りなくこの夏に死にしクマゼミのなかのひとつが地にもがきゐる

この辺でもういいだらうと現(うつ)し身(み)の抜けたる痕(あと)が幹にすがれる

九〇万とふ死の数とほうもなき数の その数だけの悲しみをこそ

“It's people, not number”テドロスの言葉はすでにとほく忘れつ

笑はせてなんぼと今朝もテレビには学者らがゐてにぎやかに笑ふ

そこの君内職するのやめなさい WEB講義で言つてはいけない

歌人として期待されゐる場面だと知りつつ意固地に無言を通す

(2020年11月号)

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