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霞が関コンフィデンシャル<官界インサイドレポート>

日本を動かすエリートたちの街、東京・霞が関。日々、官公庁を取材する記者たちが官僚の人事情報をどこよりも早くお届けする。

★「菅ライン」の完成

初の首脳会談を終え、無難に離陸した日米関係は、菅義偉首相の信任が厚い外務官僚群が主導していくことになる。

コロナ下でジョー・バイデン米大統領は、初の対面相手に日本を選んだ。米側の事務方で中心的な役割を担ったのが国家安全保障会議(NSC)でインド太平洋調整官を務めるカート・キャンベル氏。古くからの代表的な知日派のキャンベル氏の知己は多い。日本では外務省の市川恵一北米局長(平成元年入省)が、ワシントンでは河邉賢裕駐米公使(3年)が折衝役を担った。両人とも菅首相が官房長官時代に秘書官を務め、市川氏も駐米大使館勤めの経験がある。これに現職でやはり官房長官秘書官からそのまま昇格した高羽陽首相秘書官(7年)が菅氏の傍らに控え、秘書官トリオが対米折衝のフロントラインを形成した。

さらに官邸では滝崎成樹官房副長官補(昭和60年)が指揮監督した。アジア大洋州局長から官邸入りした滝崎氏も、菅首相が好む外交官の一人。本省の秋葉剛男事務次官(57年)も安倍晋三内閣時代から立ち回りもうまく菅首相の信用を勝ち取ってきている。ワシントン、外務省、首相官邸で「菅ライン」が日米折衝を担う構図だ。

とりわけ秋葉氏の役割は重要である。次官として戦後最長の在任日数を記録した秋葉氏は安倍官邸時代、ロシアとの北方領土交渉で今井尚哉前首相補佐官(57年、旧通産省)のアプローチが外務省ロシアスクールと対立した際、役所は違えど今井氏と入省同期ということもあり、外務審議官として仲介役を果たした。

米NSCのカウンターパートになる国家安全保障局は現在、外交とは縁のなかった北村滋氏(55年、警察庁)が局長だが、秋葉氏は後任の最有力候補でもある。日米関係は秋葉氏をトップとする菅ラインで差配することになる。

菅義偉氏

菅首相

★本気の脱炭素推進

菅首相が米国から帰国した翌日の夕方、「気候変動対策推進のための有識者会議」(座長、伊藤元重・学習院大学教授)が開かれた。

その日の午前中には、新川浩嗣内閣官房気候変動対策推進室長(兼財務省官房総括審議官・62年、旧大蔵省)の姿が官邸にあった。金融庁の中島淳一総合政策局長(60年、同)、外務省の小野啓一国際協力局地球規模課題審議官(63年)とともに有識者会議開催前のブリーフィングを菅首相に行っていたのだ。

新川氏の対策推進室長の就任は「所詮、腰掛けだ」「半身は本省に置いている」など他の経済官庁から辛辣な声が聞こえてくるが、実態は違う。菅首相の「2050年カーボンニュートラル」宣言に加え、日米首脳会談後に発表された共同声明に「日米気候パートナーシップ」の立ち上げを謳ったこともあり、気候変動問題に対する菅首相の意気込みは、政権浮上策の一つ。対策推進室長として新川氏が背負う責任も重くなるのは必至だ。

財務省で主計畑の新川氏は、珍しく主税局調査課長、主計局総務課長、官房審議官(主計局担当)の経験がある同期のエース。氏を内閣官房に送り出した財務省(太田充事務次官・58年)幹部らの意気込みも伝わってくる。

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★現場派の医系技官

新型コロナウイルス対策の中核を担う厚労省だが、老人保健課の宴会問題に続き、老健局全体がクラスター化するなど、何ともしまらない。省内には「疲労感より徒労感が漂っている」という。

樽見英樹事務次官(58年、旧厚生省)の去就が焦点になる夏の人事は、菅政権の命運がかかる東京五輪・パラリンピック後に先送りされるという説が浮上している。

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