梅原猛 政治力と洞察力 山折哲雄 100周年記念企画「100年の100人」
見出し画像

梅原猛 政治力と洞察力 山折哲雄 100周年記念企画「100年の100人」

文藝春秋digital
哲学者・梅原猛(1925~2019)は、日本古代史などの分野で大胆な仮説を数多く展開した。山折哲雄氏がその多才さを振り返る。/文・山折哲雄(宗教学者)

山折哲雄

山折氏

梅原さんは聖徳太子の霊に魅入られ、柿本人麻呂の背中に乗って、異界をめざして天駆けた。右や左からの非難や講壇アカデミーからの悪口を飛びこえ、国民の心をわしづかみにして語りつづける哲学者だった。

装飾古墳の美にとり憑かれ、縄文からアイヌ文化、西田幾多郎をへて仏教の森をかけめぐり、ニーチェ、ハイデッガーを遍歴し、最後にデカルトに的をしぼって、西洋文明の心臓部を撃ちつづけた。返す刀でスーパー歌舞伎や能狂言の創作に打ち込むかたわら、この国の政治と歴史をつらぬくルサンチマンに着目して独自の怨霊史観を刻みだした。国民的な論争になった「脳死は死か」では真っ向から反対する立場を崩さず、3・11の大災害では、これを「文明災」と呼んで、「近代」の根幹にゆさぶりをかけつづけた。

梅原猛

梅原猛

この続きをみるには

この続き: 427文字
この記事が含まれているマガジンを購読する
月刊誌『文藝春秋』の特集記事を中心に幅広いテーマの記事を配信しています。政治家や経営者のインタビュー、芸能人の対談、作家のエッセイ、渾身の調査報道、一流作家の連載小説、心揺さぶるノンフィクション……月額900円でビジネスにも役立つ幅広い「教養」が身につきます。

一流の作家や知識人、ジャーナリストによる記事・論考・ルポルタージュなどを毎日配信。執筆陣のオンラインイベントも毎月開催中。月額900円で記…

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
文藝春秋digital

記事へのご意見・ご感想をお待ちしています。「#みんなの文藝春秋」をつけてご自身のnoteにお書きください。編集部がマガジンにピックアップします。皆さんの投稿、お待ちしています!

ありがとうございます!
文藝春秋digital
月刊誌『文藝春秋』の特集記事を中心に、一流の作家や知識人による記事・論考を毎日配信。執筆陣のオンラインイベントも毎月開催中。月額900円で記事読み放題&イベント見放題のサービスです。