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辻真先 乱歩・黒澤・手塚

文・辻真先(アニメ・特撮脚本家・推理作家)

少年探偵団』(ポプラ文庫)江戸川乱歩
 
 昭和12年の「少年倶楽部」に連載された。乱歩の怪人二十面相シリーズはこの前年にスタートしていたのだが、当時のぼくは弟雑誌「幼年倶楽部」を購読していて気付かず、1年遅れた。こんな面白い小説があるのかと驚き、対象読者の年齢層もかまわず以後ランポと名がつけば『魔術師』『二銭銅貨』『孤島の鬼』『心理試験』と乱読した。読むのが連載に追いついたのは『地獄の道化師』からだ。戦後、探偵小説が推理小説と名が変わっても読み続け、50年前から作者を兼ねるようになったぼくだが、読者歴の方が長いので今でも書くより読む方に自信がある。でもまさか二十面相の続編(正しくは間隙を埋めた2作)を、自分で書くことになるとは思わなかった。

辻真先氏 ©共同通信社

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