三宅唱 トラウマの本と幸運な本
『宇宙=1、2、3…無限大』(ジョージ・ガモフ著、崎川範行/伏見康治/鎮目恭夫訳、白揚社)
1995年、映画『アポロ13』をきっかけに宇宙空間で働きたいと考え、背伸びしてさまざまな科学本を読んだ。そして、どの順番でどの本を読むかはとりかえしのつかない選択になることもあると初めて学んだ。もしこの本で挫折しなかったら、今頃は月面基地の設計士になっていたかもしれない。自分を戒めるトラウマの本として、今も仕事部屋のメインの本棚の目立つところにずっと置いている。もう一度宇宙のことを勉強したいが、当時のように無駄なカッコツケはせず、慎重に本を選びたいと思う。ということで、去年は河原郁夫さんの本を読んでプラネタリウムに通ってみたり、『プロジェクト・ヘイル・メアリー』に泣いたりした。
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