短歌 岡本真帆「光のそばで」
光のそばで
天国が涼しい場所かあたたかい場所かをきみとふたり話した
鏡には出口がなくて湖で交わしたことも忘れてしまう
バスタブで鹿を飼ってる夢を見てかみさまだって気がついていた
泣きやんだあとの心を馴染ませるアコーディオンのような呼吸で
心臓は真ん中にない 心臓はきみのにおいのことを知らない
次に会うときは互いにわからないかもしれないね 手話の羽ばたき
呼ばれているような気がして振り返る 薄暗闇の夏の回廊
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