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経営者は古典に学べ 楠木建

文・楠木建(一橋ビジネススクール教授)

楠木建氏 ©文藝春秋

 1999年に親会社キヤノンの役員からキヤノン電子社長に「左遷」された酒巻久氏は、就任するとすぐに「高収益企業化」のビジョンを掲げ、意識改革に乗りだした。不採算の関連会社を整理し、設備の内製化を進め、徹底的にコストを切り詰めた。10年で経常利益率を20%にするという具体的目標を掲げ、目標を達成したら給料アップとボーナスで社員に還元することを約束した。酒巻氏の社長就任6年目には、1%しかなかった経常利益率は10%の大台に乗った。

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