半導体の大逆転なるか 泉谷渉
太平洋戦争が終わった直後の1947年12月23日、米国ベル研究所において、ウィリアム・ショックレー、バーディーン、ブラッテンという三人の博士によって、「トランジスタの増幅作用」が確認された。翌48年に正式発表され、これが事実上の半導体産業の始まりであった。
大々的に記者発表されたものの、居並ぶ記者たちの中で、その重要性に気付くものはほとんどいなかった。ところが、極東の小さな企業は、このトランジスタの衝撃に気付いていた。死に物狂いで開発を進め、55年にはトランジスタラジオ「TR-55」を誕生させ、世界をあっと言わせる。この会社の名前は東京通信工業、後のソニーである。
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