
インフレが世界秩序を破壊する 中野剛志
「歴史は繰り返さないが、韻を踏む」――マーク・トウェイン
世界は、およそ40年ぶりに高水準のインフレに見舞われている。各国政府は対応に追われ、日本でも、物価高騰対策を中心とした大型の経済対策が検討されている。
もちろん目下の問題に対処するのも大事ではある。しかしながら、より大局的な視点に立って、このインフレがもつ歴史的な意味を考えてみることも必要であろう。そうすれば、今日の世界が直面している問題の根本が見えてくるようになるからである。

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