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金正恩栄えて人民餓える 髙英起

文・髙英起(「デイリーNKジャパン」編集長)

髙英起氏

 北朝鮮は2022年9月から毎週のようにミサイルを発射した。その集大成として11月18日には新型大陸間弾道ミサイル「火星17型」を発射。驚かされたのは、金正恩が李雪主(リソルチュ)夫人と娘を引き連れて実験現場を訪れたことだ。親子同伴のミサイル発射実験の裏には、核保有国・北朝鮮を次世代に引き継ぐという金正恩の強い意志が見え隠れする。ミサイル連射はもとより、金正恩が進める核開発には巨額な国家資金が投入されており、北朝鮮人民の生活を苦しめている。しかし、彼らがどのような生活を送っているのか報じられることは少なく、見えてこない。金正恩の核戦力強化路線による負担に加えて、90年代に北朝鮮全土を襲った深刻な大飢饉「苦難の行軍」の爪痕は深く、未だに世界最貧国レベルの生活を強いられ、餓死の恐怖におびえる人々も少なくない。

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