短歌|小林理央
金魚すくい
カレンダー埋めて生きてるフリをする思い通りにいかない日々を
どうしようもなく夏になるわたしには何も操れないことを知る
虚無と向きあえる自分になりたくて聴いているのはマカロニえんぴつ
学生でいられる日々を数えてるベタベタしてるカラオケの床
幸せな夢を見たくはない 今が不幸せだと思ってしまう
かき集め生きているんだ日本語を金魚すくいのようにやらかく
鳥になったあの人ならばコロナ禍をどんな素敵に詠うのだろう
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