見出し画像

大相撲新風録16 若元春|佐藤祥子

文藝春秋digital

2206大相撲新風録_若元春

若元春わかもとはる(福島市出身、荒汐部屋、28歳)

弟は大関候補。兄も目覚めるか

先の三月大阪場所、浪速の地で初賜杯を抱いた関脇若隆景は、荒汐部屋“大波三兄弟”の末っ子だ。長兄の若隆元は、ケガに苦しみながらも幕下で奮闘し、末っ子の付け人を務めている。土俵上で塩を取る弟と、花道奥で見守る長兄はアイコンタクトを取り、いざ勝負へ。兄弟の絆を垣間見せる光景だ。

そんな若隆景の次兄にあたるのが、若元春である。今年初場所前の新入幕会見では、「(約2年と)十両生活が長かったので幕内で通用するか自信がない」と、控えめに発言するも、9勝6敗の好成績を挙げた。入幕2場所目となる先場所は西前頭九枚目で、またも9勝6敗と勝ち越し、着実に力を付けている。「弟の若隆景だけでなく“お兄ちゃん”も期待大」と誰もが注目している存在なのだ。先場所は得意の左四つで、三役経験のあるベテラン隠岐の海を寄り切る、堂々とした相撲を見せてもいた。

2011年九州場所で初土俵を踏み、翌年初場所で序ノ口優勝。以来、たった1年で幕下昇進する順調な出世ぶりだったが、幕下の地位で足踏みすること約8年。雌伏の時を送り、今、つぼみが花開いた。部屋のマネージャーを務める元力士の内海光氏は言う。

「彼は温厚な性格で穏やかですけれど、さすがに弟の存在に刺激を受けていると思います。幕内の土俵に上がるまでに約10年かかり、今は28歳ですが『大器晩成型』ですね」

この続きをみるには

この続き: 304文字
この記事が含まれているマガジンを購読する
月刊誌『文藝春秋』の特集記事を中心に幅広いテーマの記事を配信しています。政治家や経営者のインタビュー、芸能人の対談、作家のエッセイ、渾身の調査報道、一流作家の連載小説、心揺さぶるノンフィクション……月額900円でビジネスにも役立つ幅広い「教養」が身につきます。

文藝春秋digital

¥900 / 月

一流の作家や知識人、ジャーナリストによる記事・論考・ルポルタージュなどを毎日配信。執筆陣のオンラインイベントも毎月開催中。月額900円で記…

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
文藝春秋digital

記事へのご意見・ご感想をお待ちしています。「#みんなの文藝春秋」をつけてご自身のnoteにお書きください。編集部がマガジンにピックアップします。皆さんの投稿、お待ちしています!