堀越二郎 零戦「我、過てり」
日中戦争後半から太平洋戦争敗戦に至るまで実に5年間も、日本海軍の主力戦闘機の役目を担わされた零戦を生んだ設計者とは、どのような発想をする人物なのか。零戦の「生と死」をどのように見ていたのか。その肉声を聴いて記録したい。
そんな関心から堀越二郎氏に、十数回のべ数十時間にわたるインタビューをしたのは、戦後30年余り経った1975年から80年代初めにかけてだった。最初にお会いした時、氏は72歳になっておられたが、背筋を真っ直ぐに伸ばして座り、低い声でとつとつと語り、眼鏡の奥の眼差しは終始やわらかだった。
ここから先は
477字
noteで展開する「文藝春秋digital」は2023年5月末に終了します。同じ記事は、新サービス「文藝春秋 電子版」でお読みいただけます。新規登録なら「月あたり450円」から。詳しくはこちら→ https://bunshun.jp/bungeishunju
文藝春秋digital
¥900 / 月
月刊誌『文藝春秋』の特集記事を中心に配信。月額900円。(「文藝春秋digital」は2023年5月末に終了します。今後は、新規登録なら「…