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同級生交歓 練馬区立石神井西中学校 昭和59年卒

人の一生を左右するのは校風か、学歴か、友人か。意外な組み合わせ、納得の顔ぶれが並ぶ“誌上同窓会”。「文藝春秋」の名物グラビア企画です。

同級生交歓(近藤良平、森洋久)HN5_1063 (1)

埼玉県さいたま市 彩の国さいたま芸術劇場にて(撮影・杉山秀樹)

(右から)
東京大学総合研究博物館准教授
森洋久
「コンドルズ」主宰・彩の国さいたま芸術劇場次期芸術監督
近藤良平

春、隣の席に座ったのはアルゼンチン帰りの近藤良平だった。ぼくもマレーシア帰りで、南の国の帰国子女は何かと居心地が良くない。「南の国で何が悪い」。同じ樹木が、二人の心の中に芽生えはじめた。

音楽室でたむろして、彼は愛用のケーナで『コンドルは翔んでいく』を吹いていた。ぼくは、マレーシアの風景をピアノで弾いた。やがてみんなが集い、彼の指揮と、ぼくのピアノで『大地讃頌』を合唱した。

掃除当番の日、モップで雑巾を叩き、ホッケーにフィーバーして窓ガラスを割った。廊下にバケツを持たされ立たされた。ひそかに、みんなの和が生まれていた。

大学時代、ぼくは、シンセサイザーを作るのだと言ってコンピュータ科学の道へ進む。彼は、舞踊家の道に進んで「コンドルズ」を結成する。一見、別々の道を歩んだのだが、あの日から通底する音楽と仲間、そして、樹木。 (森)

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