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田中角栄 キング・オブ・政治家 朝賀昭 100周年記念企画「100年の100人」

「リーダーに相応しい人」として必ず名前が挙がる田中角栄元首相(1918~1993)。23年間秘書として田中を支え、長く政治を見てきた朝賀昭氏も、「オヤジを超える政治家はいない」と断言する。/文・朝賀昭(元秘書)

朝賀昭(語り手)

朝賀氏

スポーツの世界でたとえると、オヤジは「キング・オブ・アスリート」と呼ばれる、10種競技のチャンピオンでしょう。演説力、リーダー力、政策立案力など、政治家に必要なあらゆる素養を兼ね備えた人でした。

その一丁目一番地にあたるのが「愛と情念」です。

何といっても、故郷・新潟への愛。暮らしに困った地元の人が陳情に来ると、「ああ、君はあの川の脇の、雑貨屋の孫か!」などと言って歓迎する。大豪雪地帯で暮らす人々の生活を、一番に優先するのが、オヤジの政治家としての原点でした。

田中角栄

田中角栄

秘書への情も深かった。深夜国会が続く時期には、「ほら、君が居たってやることないから、もう早く帰れ!」と、お母さん秘書を先に帰らせていました。子どもが家で待っていることを、ちゃんと覚えているんですね。そうした細かいところに、物凄く気配りや思いやりがある方なんです。

そして、愛する日本という国の未来を、オヤジほど考えていた人もいないと思います。

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