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栗林忠道 心優しき鬼

太平洋戦争末期、硫黄島の戦いを指揮した栗林忠道陸軍大将(1891〜1945)は、決別電報に次の辞世の句を遺していた。
〈国の為 重きつとめを 果し得で 矢弾尽き果て 散るぞ悲しき〉
孫の新藤義孝氏(自民党政調会長代行)が栗林の生き様を語る。

栗林忠道

 祖父が亡くなったとき、娘である私の母は10歳でした。妻子に宛てた手紙には〈たこちゃん(娘)は可愛がって上げる年月が短かった事が残念です〉と書かれてありました。母にとって叱られた記憶がないというほどの優しい父親だったようです。

新藤義孝氏

 また、〈お勝手の下から吹き上げる風を防ぐ措置をして来たかったのが残念です〉と記し、普段は家の手入れをする良き家庭人であったことが偲ばれます。

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