ガンプラ、宇宙へ|野口聡一
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ガンプラ、宇宙へ|野口聡一

文・野口聡一(宇宙飛行士)

ホワイトベースのカタパルトデッキからガンダムが発進する――。そんな「機動戦士ガンダム」のワンシーンが、再現されようとしています。

既にニュースでも報じられていますが、東京オリンピック・パラリンピックの開催に合わせて、ガンダムのプラモデル、いわゆるガンプラが、宇宙空間から応援メッセージを発信する予定になっているからです。

この企画は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と東京大学、大会組織委員会の共同プロジェクトで、「東京オリンピック・パラリンピック ONE TEAM PROJECT『G-SATELLITE 宇宙へ』」というもの。

ガンダムとシャアザクのガンプラを搭載した「G-SATELLITE」という超小型衛星を、「国際宇宙ステーション(ISS)きぼう日本実験棟」から宇宙空間へ放出して行われます。

放出作業は今年4月頃を予定していて、応援が実施されるのは東京2020大会の期間前から期間中です。

プロジェクトの基幹となる超小型衛星は、気象衛星や放送衛星などとは違って、とてもシンプルな作りになっています。安全装置などは一切なく、大きさは縦横10センチ、奥行き30センチほどです。そのなかにあるコックピットに、過酷な宇宙空間にも対応できるように特殊な樹脂で作られたガンプラ2体が格納されます。

そして、放出された超小型衛星が地球周回軌道に乗った後、コックピットが展開し、ガンプラが宇宙空間に現れる仕組みです。

肝心の応援メッセージは、ガンプラの足元にある電光掲示板に表示され、目がオリンピックカラーの5色に変化する演出も施されています。

さらに、超小型衛星に設置された7台のカメラが、宇宙空間を背景にガンプラを撮影し、公式のSNSなどで配信されるというのが一連の流れです。

わたしは、この企画が成功すれば、世界が日本の技術力の高さを再認識してくれると思っています。

というのも、G-SATELLITEやガンプラの精度はもちろんのこと、「きぼう」内に設置されている「小型衛星放出機構」という機能があってこそ実現できることだからです。

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