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鹿島茂 総合雑誌へ大転換 菊池寛 アンド・カンパニー17

「文藝を基調として、あらゆる方面に、ひろがつて行かう」/鹿島茂(フランス文学者)

 文藝春秋社員として長く勤務した作家の永井龍男は『文藝春秋三十五年史稿』でこう書いている。

「大正十四、十五の兩年は、『文藝春秋』にとつて特に記念すべき一時期である。菊池寛のジャーナリストとしての天才が、對社會的に一一手應えを感じた、いわば最初の開花期であつた」

 実際、大正13年に訪れた分裂の危機を乗り越えた「文藝春秋」は大正14年に入ると大発展を遂げ、発行部数は新年号の2万6000部から1年後の大正15年新年号の11万部へと4倍増という伸びを示したのである。

 こうした大発展の動因はどこにあったのだろう?

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