「読むこと」「書くこと」 小川哲×松浦寿輝
小川 松浦先生、お久しぶりです。
お会いするのは、10年ぶりぐらいでしょうか。
松浦 僕が東京大学を退官した2012年が最後だったので、11年になりますね。時が経つのは早いなあ。
小川 僕は同業者の作家は、どれだけ偉い方でも「先生」と呼ぶことはないのですが、松浦先生は本当に僕の先生だったので、「先生」とお呼びします。先生には僕が学部生の頃、卒業論文の指導教官を担当していただきました。僕は大学院入試に落ちてしまい、ご迷惑をおかけしてしまって。今日も、卒論を審査されているような気分で、めちゃくちゃ緊張しています(笑)。
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