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名品探訪③ 美しき「百年時計」
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名品探訪③ 美しき「百年時計」

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創業100年を超える老舗が生み出す、歴史的ドレスウォッチの数々。その揺るぎない美意識と無限のストーリーを、心ゆくまで堪能しよう。/文=山下英介、写真=長山一樹(S-14)、スタイリスト=石川英治(tablerockstudio)、撮影協力=日本民藝館

《Dress Watch》

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Patek Philippe(パテック フィリップ)
丸型時計の先駆者として1932年に登場した、「カラトラバ」シリーズの最新作。ベゼルに施されたギヨシェ装飾に加え、ダイヤモンドカットされた針やインデックスなど、直径39㎜のケースの中に、驚きの造形美が凝縮している。手巻き、18Kローズゴールド、ケース径39㎜。カラトラバ Ref.6119 ¥3,399,000(パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンター☎03-3255-8109)

第一次世界大戦が早めた 腕時計の進化

意外なことだが、19世紀初頭につくられた世界初の腕時計は、女性用の装飾品であった。20世紀初頭にはカルティエが紳士用腕時計を開発したが、時代は懐中時計の全盛期。街で使われることは稀だったという。そんな腕時計が一般化するのが、第一次世界大戦後。安価で機能的な軍用時計が市中に出回ったことがきっかけである。

最初期の腕時計は、当時全盛だったアール・デコデザインの影響を受けた、角型やトノー(樽型)が多かったが、その傾向は1930年代に一変。パテック フィリップの「カラトラバ」に代表される、モダンデザインの影響下にある丸型時計が登場し、以降スタンダードとして定着するに至った。本連載ではそんな約100年に及ぶ腕時計史にその名を刻む、男と女の名作ドレスウォッチを厳選。歴史が証明した価値を、身をもって体感してほしい。

腕時計と「百年」の物語

Duke of Windsor
英国王室いちの伊達男、エドワード8世。第一次世界大戦末期に広まった腕時計を、いち早く着けている。当時の紳士用腕時計は、懐中時計をカスタムした、大ぶりなものが多かった
Jacqueline Kennedy
永遠のスタイルアイコン、ジャクリーン・ケネディ・オナシス。夫のJ.F.ケネディと揃いのカルティエ「タンク」は、1963年にポーランドのラジウィル王子からプレゼントされたものだ

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